データで見るアトピー性皮膚炎
日本のアトピー性皮膚炎患者さんの数
現在、日本のアトピー性皮膚炎患者さんの数は増加傾向にあります。厚生労働省の患者調査によると、2008年では約35万人でしたが、2017年では約51万人となり、約10年間で1.5倍ほどになっています。
日本のアトピー性皮膚炎患者さんの数
厚生労働省. 平成29年(2017)患者調査の概況(より作成)
アトピー性皮膚炎患者さんを年齢別にみると、患者さんが多い年齢層は1~9歳(乳児期~小児期)で、年齢が上がると患者さんの数は少なくなっていく傾向があります。
年齢別にみた日本の
アトピー性皮膚炎患者さんの数
厚生労働省. 平成29年(2017)患者調査の概況、総務省統計
局. 人口推計(2017年)(より作成)
アトピー性皮膚炎患者さんの治療や通院の状況
アトピー性皮膚炎と診断された患者さんを対象とした調査では、医療機関で治療を行っている患者さんは半数以下でした。
アトピー性皮膚炎患者さんの
治療の状況
-
保険医療機関
-
漢方療法、民間療法、代替医療など
-
自分で対処
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無治療
- n=1,496
対象:インターネット調査会社(マクロミル)の20歳以上の全国の会員および会員が同居している子どものうち、アトピー性皮膚炎と診断されたことがある患者1,496例
方法:インターネットのアンケート調査により、アトピー性皮膚炎の治療実態を調査した。
足立雄一 ほか. 令和元年度厚生労働行政推進調査事業費補助金 アレルギー疾患対策に必要とされる大規模疫学調査に関する研究による
「日本のアレルギー疾患はどう変わりつつあるのか」; 2020. P35.
また、重症度別に通院状況をみた調査では、病院などで治療していない軽症の患者さんは8割以上であり、中等症・重症の患者さんでも、半数近くが通院していませんでした。近年、アトピー性皮膚炎は、他のアレルギー疾患の発症に関係することもわかっています。アトピー性皮膚炎は軽症であっても放置せず、医療機関で適切な治療を行うことが必要です。
重症度別にみたアトピー性
皮膚炎患者さんの通院の状況
-
医療機関
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自宅で市販薬
-
その他
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何もしていない
n=1,496
POEM : 患者さん自身によるアトピー性皮膚炎の症状の評価指標です。
アトピー性の湿疹の症状に関する7項目の質問によって、症状をスコア化します。
対象:インターネット調査会社(マクロミル)の20歳以上の全国の会員のうち、アトピー性皮膚炎と診断されたことがある患者1,496例
方法:インターネットのアンケート調査により、アトピー性皮膚炎の重症度および治療実態を調査した。
足立雄一 ほか. 令和元年度厚生労働行政推進調査事業費補助金 アレルギー疾患対策に必要とされる大規模疫学調査に関する研究による
「日本のアレルギー疾患はどう変わりつつあるのか」; 2020. P36.