
大人のアトピー性皮膚炎
気を付けよう!かくれ炎症※
※:アトピー性皮膚炎において、見た目に症状はなくても、皮膚の下に炎症が残っている状態を「かくれ炎症」と呼んでいます。
「かくれ炎症」をご存じですか?
「アトピー性皮膚炎が治ったと思ったのに、また症状が出てきてしまった」という経験はありませんか?
アトピー性皮膚炎では、一見治ったように見えても、皮膚の下には炎症が残っている場合があります。これが「かくれ炎症」です。ぶり返す症状はこれが原因かもしれません。
見た目ではわからない炎症

目に見える症状だけでなく、かくれ炎症も治すことが大切
アトピー性皮膚炎では、まず、炎症を抑えるお薬を使用して、皮膚の症状を落ち着かせることを目指して治療を行います。その後、症状が落ち着いた状態を維持させ、炎症のない皮膚に戻ることを目指して治療を継続していきます。
皮膚の症状が落ち着くと、見た目には症状がない状態になりますが、表面が乾燥していたり、皮膚の下には炎症が残っていたりすることがあります。このような皮膚は触るとざらざらしていたり、軽いかゆみを感じたりします。これは、皮膚の「バリア機能」がまだ十分に回復していない状態です。そのため、ここで治療をやめてしまうと、症状が悪化する可能性があります。
アトピー性皮膚炎の治療経過とかくれ炎症※
※:アトピー性皮膚炎において、見た目に症状はなくても、皮膚の下に炎症が残っている状態を「かくれ炎症」と呼んでいます。

提供:広島大学大学院医系科学研究科 皮膚科学 教授 田中暁生 先生
症状がよくなると「治った」と感じ、治療をやめたくなるかもしれません。しかし、皮膚の下に残った炎症まできちんと治すためには、見た目の状態に惑わされず、治療を継続することが大切です。
炎症が完全に治まるまで治療を続けることで、これまで悩まされてきたぶり返す症状が少なくなるかもしれません。医師の指示に従って治療を継続し、炎症のない見ても触ってもつるつるすべすべの皮膚を目指しましょう。