子どものアトピー性皮膚炎

お風呂とスキンケアのポイント

子どものアトピー性皮膚炎では、汗やよだれ、細菌、ほこりなどが症状の悪化原因となることがあり、入浴やシャワーによって皮膚を清潔に保つことが大切です。また、入浴やシャワーの後は、皮膚が乾燥する前になるべく早く炎症を抑えるお薬や保湿外用薬を塗りましょう。

動画でまなぶ!赤ちゃんの沐浴と保湿
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動画でまなぶ!塗り薬の使い方

入浴やシャワーのポイント

毎日行う入浴やシャワーだからこそ、アトピー性皮膚炎を悪化させないための基本的なポイントを押さえておきましょう。

入浴やシャワーの回数は1日2回程度を目安にしましょう。
皮膚を清潔に保つことは大切ですが、入浴やシャワーによる皮膚への刺激やその後の乾燥には注意が必要です。症状が落ち着いているときは、乾燥を避けるために1日1回にするなど、症状に合わせて調節しましょう。

お湯が熱すぎるとかゆみの原因になることがあります。お湯の温度は38~40℃がおすすめです。なお、乳幼児のからだは小さく温まりやすいため、湯船に入る時間は2~3分を目安にしましょう。

石鹸やボディーソープなどの洗浄剤は刺激が少ない弱酸性、無香料、無着色のものから、実際に使用して使用感が良いものを選びましょう。洗浄剤の役割は、余分な皮脂を落とすことですが、使用頻度が高いと必要な皮脂まで取れてしまいます。洗浄剤の使用は、ほとんどの場合、1日1回で十分です。お肌の状態や季節にあわせて増減してください。

からだを石鹸で洗うときは、そのまま肌にこすりつけず、よく泡立てて使いましょう。ブラシなどは使用せずに手のひらでやさしく、こすらないように洗いましょう。洗った後は洗浄成分が肌に残らないように、きれいに洗い流しましょう。

お風呂から出たらタオルを皮膚にやさしく当て、こすらないように水気をふき取りましょう。

からだの洗い方のポイント

症状があるところを洗うと痛かったりしみたりして嫌がることがあります。しかし、汚れが残っていると症状が悪化する原因になってしまうため、思い切って洗いましょう。

子どものからだの洗い方

1

シワのあるところは
伸ばして洗う

シワのあるのところは、 シワを伸ばして洗いましょう。

指の関節を洗うときは、片方を「グー」、もう片方を「パー」の形にし、パーの手でグーの手を包み込むようにするのがおすすめです。

「グー」を「パー」で包むように洗う

アトピー性皮膚炎と食物アレルギー
2

顔を洗うときは目の周りも
しっかり洗う

石鹸が目に入ってしみないような洗い方をしましょう。
  1. (1)すぐに洗い流せる準備をしておく
  2. (2)水をかける時は顔の上から下に流れるようにする
  3. (3)ひたい、ほほを先に洗い、最後に鼻の下や目の周りに泡をつけて洗う
  4. (4)目は上から下に瞼を閉じさせるように洗う
  1. (5)頭の上から手早くお湯やシャワーをかけて洗い流す
  2. (6)顔が濡れていると嫌がることがあるため、乾いたタオルでこすらずやさしくふく

不明点があれば医師に相談してみましょう。

お風呂上りのお薬の塗り方のポイント

入浴やシャワーのときに石鹸などの洗浄剤を使うと皮脂が流れ落ちるため、アトピー性皮膚炎のお子さんは、そのままにしておくと皮膚が乾燥してしまいます。皮膚が乾燥する前に、なるべく早くお薬を塗りましょう。炎症を抑えるお薬は症状が出ている部分、保湿外用薬は症状のない部分も含め、からだ全体に塗ります。

保湿外用薬の塗り方と量の目安

保湿外用薬は必要な量を取ってから、少しずつ肌に置き、清潔な手でむらなくからだ全体に伸ばしましょう。おとなの指の第一関節の長さ(約2.5㎝)の量を1FTU(フィンガー・チップ・ユニット)といい、1FTUをおとなの手のひら約2枚分の範囲に塗るのが適量です。

保湿外用薬の必要な量の目安

  • 顔とくび
  • 片腕
  • 胴体
  • 片足
  • 単位:FTU

単位:FTU

顔とくび:1 片腕:1 胴体※:1、1.5 片足:1.5

3〜6カ月

顔とくび:1.5 片腕:1.5 胴体※:2、3 片足:2

1〜2歳

顔とくび:1.5 片腕:2 胴体※:3、3.5 片足:3

3〜5歳

顔とくび:2 片腕:2.5 胴体※:3.5、5 片足:4.5

6〜10歳

※胴体部分は、[前面、背面]に塗るお薬の量をそれぞれ示しています。

不明点があれば医師に相談してみましょう。